当工場は岡谷市において昭和3年に創業した製糸工場です。現在従業員12名、年間約1tの生糸、織物で約千反分を生産しています。当工場だけにしかない伝統的な糸取りの方法など多種多様な生糸の生産技術があるのが特徴です。
岡谷は近代製糸業発祥の地であり、明治から昭和初期にかけては日本の生糸生産量の三分の一を占めるほどの活況をみせ、重要な輸出産業として日本の近代化に果たした役割はきわめて大きなものがありました。しかし最盛期には300もの製糸工場が立ち並んでいた岡谷の町も現状では精密機械の町へと変貌を遂げ、岡谷で最後の製糸所であります。



当工場は、伝統的な生糸の生産方式が系統的に残されている、日本で唯一の製糸工場です。さらに、蚕糸博物館へ工場を移転して貴重な財産となった歴史的な製糸機械とその繰糸手法、技術を次世代に継承しております。