安曇野市穂高有明地区では、天明年間から天蚕の飼育が始まったと伝えられ、明治30年頃の最盛期には有明村を中心に1年間に8000万粒の繭を生産していました。その後、病気の流行などにより衰退し、大正4年の焼岳噴火の降灰や第2次世界大戦の影響で飼育が途絶えてしまいました。昭和48年、穂高町が飼育未経験の農家を説得し、飼育が再開されました。現在は安曇野市天蚕振興会により、受け継がれた伝統が守られています。



安曇野市天蚕センターでは、天蚕の歴史や生態を、古くから受け継がれてきた機具や資料の展示、ビデオ上映によりわかりやすく展示しています。
天蚕センターに隣接する安曇野天蚕工房では、天蚕糸を使った手機織りを見学することができ、ショップでは天蚕糸を使用した製品を販売しています。